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平成30年度 NEDO戦略的省エネルギー技術革新プログラム蓄熱輸送システムでの利活用を目的とした化学蓄熱体と反応プロセスの実用化開発

2019.05.31

平成30年度 NEDO戦略的省エネルギー技術革新プログラム蓄熱輸送システムでの利活用を目的とした化学蓄熱体と反応プロセスの実用化開発

化学蓄熱材を用いた熱輸送事業の概要と今後の展開

当社は、平成30年度 NEDO戦略的省エネルギー技術革新プログラム『蓄熱輸送システムでの利活用を目的とした化学蓄熱体と反応プロセスの実用化開発』に参画し、水酸化マグネシウム/酸化マグネシウム系化学蓄熱材の開発を進めています。
こちらの記事では、本プログラムの技術資料をご紹介いたします。
今後も、低炭素社会に向けて未利用排熱の時間・距離・コスト的制約を解消し、複数企業や地域等において熱エネルギーの有効活用・最適化により省エネを進めることができる化学蓄熱材料並びに輸送システムの技術開発を進めて参ります。

背景と熱輸送事業のイメージ

我が国の製造業における最終エネルギー消費量は、5,813PJ/年と大きく、なかでも熱エネルギーの利用量は全体の半分以上を占めており、このうち、約35%の 1,138PJ/年は未利用排熱として放出されている。
地域熱の有効活用により我が国全体の省エネルギーが期待されているものの、排熱利用には距離的・時間的な課題も多く、未利用排熱の有効活用に向けた革新的な技術開発が必要である。

平成30年度 NEDO戦略的省エネルギー技術革新プログラム蓄熱輸送システムでの利活用を目的とした化学蓄熱体と反応プロセスの実用化開発

このような背景の中、工場等からの排熱をMg系化学蓄熱体を格納した重さ1ton程度となるパレットを汎用トラックで蓄熱・輸送して、熱需要のある工場や施設等で放熱・再利用する蓄熱輸送システムが、我が国全体の省エネルギーに寄与するとともに、地域のエネルギーの有効活用による競争力強化にも寄与していく。

平成30年度 NEDO戦略的省エネルギー技術革新プログラム蓄熱輸送システムでの利活用を目的とした化学蓄熱体と反応プロセスの実用化開発
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背景と熱輸送事業のイメージ

現在、タテホ化学工業とトヨタ自動車が開発の提案者となり、研究機関である理化学研究所・千葉大学をはじめ、将来的な事業者と想定されるエネルギー事業者やエンジニアリング会社とともに、開発を推進している。また、トヨタ自動車元町工場周辺エリア(実証設備導入エリア)において、蓄熱輸送事業による投資回収性を検討した結果、普及段階において補助金を使用せずとも10年程度での投資回収性を確保可能であった。尚、事業実施にあたって、消防法・熱供給事業法等による制約は無い。

平成30年度 NEDO戦略的省エネルギー技術革新プログラム蓄熱輸送システムでの利活用を目的とした化学蓄熱体と反応プロセスの実用化開発 平成30年度 NEDO戦略的省エネルギー技術革新プログラム蓄熱輸送システムでの利活用を目的とした化学蓄熱体と反応プロセスの実用化開発

システムの優位性

現在、工場等の未利用排熱に多い、中高温域(200~300°C)及び低温域(100~200°C)での蓄熱・熱回収を可能とし、1パレット当たり1時間以内で蓄熱・放熱が行え、繰り返し使用可能な高耐久性化学蓄熱体及び蓄熱回収・利用システムを開発中であり、今後の製品化、事業化を目指している。

平成30年度 NEDO戦略的省エネルギー技術革新プログラム蓄熱輸送システムでの利活用を目的とした化学蓄熱体と反応プロセスの実用化開発

化学蓄熱材を用いた蓄熱輸送に関する取り組みは、学術論文までの取り組みに止まり事業化された例はない。潜熱蓄熱材による熱輸送事業化例はあるものの、蓄熱材の蓄熱量が少ないことで事業採算性を確保するために補助事業の活用が必須である。化学蓄熱体の新たな技術の開発と更なる実用化により、潜熱蓄熱材の5~6倍程度の蓄熱量を確保でき、面的エネルギー利用のための蓄熱輸送システムの継続的・持続的な普及拡大が見込まれる。

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将来的な事業展開イメージと開発システムの新たな用途の検討

平成30年度 NEDO戦略的省エネルギー技術革新プログラム蓄熱輸送システムでの利活用を目的とした化学蓄熱体と反応プロセスの実用化開発

開発した蓄熱体や蓄放熱システムの将来的に普及展開させていくためには、工場間での熱輸送事業に止まらず、様々な排熱源や再エネ等から熱を回収・蓄熱し、新たな需要家に対して熱を輸送・供給する仕組みも検討していく必要がある。また、既存の様々な機器との連携・技術開発や材の低コスト化に向けた製造量の確保等も重要な取組みとなる。

平成30年度 NEDO戦略的省エネルギー技術革新プログラム蓄熱輸送システムでの利活用を目的とした化学蓄熱体と反応プロセスの実用化開発

化学蓄熱材の用途開発について

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